金融社畜日記~証券リテール残酷物語~

時代錯誤な昭和の趣を残す職場、大手証券会社(リテール!)で働く人(働いていた人)の現在進行形日記です。良いところ悪いところ投資に役立つちょっとした豆知識を載せていきます。

その後の新入社員の配属先とかなわぬ希望

新入社員の配属先と希望

前略、これをまず読んでください。お願いします。

こんばんは、続けての投稿です。

さて、悲喜こもごもほとんどの新入社員は営業店に配属をされました。

まあ、強い意思のある奴は、次こそは本社をと狙っているようです。

大体3年目から4年目くらいに同期の大きな異動があります。

それを見ていると、自分の将来が見えてしまって絶望的になります。

では、先の東大生・京大生はどうなったでしょうか。

無論、経営企画部のような基幹部署に異動になっていました。

始めから、そうすればよいのではないかというと、経営幹部はどぶ板も知っておいて現場の痛みも少しは知っておけということで、最初に営業店に配属なのでしょうが、確かに銀行証券の金融機関のえらいさんのプロフィール?社歴を見てみると、初めに支店が書いてあって、(らくらくとは言えなくとも数字の出来やすい中規模支店、決して大規模な花形支店でないことは確かです。)、その後に大それたなんチャラ企画部~というのが並んでいるのを見たことが無いでしょうか。(銀行だと、ここが監査部だったりするそうです。)

ただ、この人たちがその●●企画部に配属されるのは、いわゆる外部機関との折衝の窓口になるためだからです。たとえば、金融庁担当(FSA担)・証券業協会担当・財務省担当(MOF胆)などです。これらの機関のお偉いさんはいわゆる東大・京大の文系学部出身者が100%ですから、まあ彼ら彼女らと渡り合うためにはそれなりの学歴が必要だということです。そういう人たちと付き合って、名前や情報を通してもらうことで、社内での自分自身の付加価値を高めて、経営幹部の道を歩むわけです。ただしこの人々は証券会社では社長になることはありません。なぜなら、彼ら彼女らは証券会社の現場ではなく管理部門として働き、会社に利益はもたらさないからです。

では、証券会社の社長の筆頭格は誰でしょうか。

それは慶應大学、早稲田大学の文系大学の出身者です。

彼らについては大体がつまらない営業店でそれなりに数字を出せば、そのうち次ステップが与えられます。それは稼がない奴は学歴が無くても仕方がないの営業店から、稼ぐにはそれなりの学歴が必要になる、本社の営業部門です。例えば、機関投資家営業や事業法人営業になります。(因みにこれらをトスアップされる部門投資銀行部門であったりするわけですが、営業部門でありますが顧客と直接対峙することのないミドル部門であり、頭脳集団いわゆる理系出身者が多い印象です。)つまりつまらない営業店で我慢するや理不尽を耐え、覚えて強く図太くなった彼らにめぐってくる次の社長の出世レースが始まるわけです。

さて、お待たせしました。脱北についてです。

脱北とは、まあ簡単には行えないわけですが、どういう人たちが行うかというと、

明治大学上智大学、神戸・横浜等の国立大学の出身者です。

彼ら彼女らは営業でとびぬけた数字を挙げる一方、資格取得(証券アナリスト)などを一所懸命にやり、ごますりも得意になり、客を自分の遅れたチャンスを奪回する手段として利用するくらいの根性が必要です。

それか、営業が出来るのであれば、素直に本社を目指すのではなく、支店の営業管理職を目指す方が得策です。この層では早々に本社部門に行くと、なかなか管理職になれずに年収も上がりませんが、支店では数字が出来る人は管理職登用が早いです。そのうち支店長になって本社にも数字でアピールできれば、すぐに本社部長となってかつての同期が部下なんてこともあり得ます。この層の出身者は本来は、脱北をするよりも割り切った方がいいのかもしれません。

では最後に、その他学歴の出身者ですが、実はこの層が証券会社のリテール部門を牛耳っています。なぜなら、彼らは脱北の意思はないですし、まじめに与えられた営業にまい進するからです。部下は上司とそっくりになる…確かに朱に交われば赤くなるですが、証券会社は営業が主な会社です。数字を挙げてアピールすれば、●●企画部などどこ吹く風です。だって●●企画部のヘッドが大規模リテール店の支店長だっただの良くある話だからです。

なんだか、証券会社の夢を壊すようなことを書いてしまいましたが、要は数字の出来る部署で数字をやる人間が出世をするというのが、分かりやすい図式です。

銀行のように出世の上層段階において学歴は重視されていないような感じです。(社長は別ですが。)

配属先が希望通りにいかなくても、私の周りではこんな感じで人が動いて行っていました。

次の章では、気になる辞めていく人たちはどういうところに再就職するのか、について書きたいと思います。