金融社畜日記~証券リテール残酷物語~

時代錯誤な昭和の趣を残す職場、大手証券会社(リテール!)で働く人(働いていた人)の現在進行形日記です。良いところ悪いところ投資に役立つちょっとした豆知識を載せていきます。

リテールセールス(証券マン・ウーマン)の一日の稼ぎはどれくらい①

こんばんは。先のエントリーでは年収の高さを見てきましたが、その年収を貰うためには稼ぎが必要です。

ところで皆さんはセールスをされていますでしょうか。

一か月1,000万円も売り上げを立てれば、それはそれは優秀なセールスではないでしょうか。

それがどっこい、かつてバブル期の証券会社では1,000万円は入社8年目のごく普通の社員の一日のノルマだったそうです。

20営業日あれば2億の売り上げです。12か月で24億円…

証券会社は元々は株屋と侮蔑され、強引な株式の回転売買で生業を立ててました。

また、バブル期の当時は証券会社の手数料は自由化されていなく、100万円の商いでも往復2パーセント弱の手数料が取られ、仮に1億売買してもらえれば200万円の手数料です。(高額売買の場合は別途手数料割引があるため、実際にはもう少し変わります。)

しかし手数料の自由化とインターネット証券にも門戸が開かれ、今は100万円の取引ではインターネット証券においては片道800円ほどしか手数料を召し上げていません。

では、現在の対面証券会社はどのような手段で手数料を上げるのでしょうか。

入社8年目の最もできるセールスに求められる数字は一日平均300万円です。

12か月で7億でしょうか。

随分と減ったように思いますが、その分証券会社のIT化により事務方人員自体がスリム化したため、これでも十分なようです。かつては、営業員の数と同じくらいに事務方が支店にいたそうで、その人たちの給料も稼ぐ必要があったからだということですね。

さて、その手段ですが、

① 新規公開・公募売り出し等株式募集手数料(大体1パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない(これについては次回に説明します。)

② 投信買い付け手数料(大体3パーセント)

③ 普通社債募集手数料(0.3パーセントから3パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

③ 仕組債募集手数料(3パーセントから8パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

④ 既発債買い付け手数料(0.5パーセントから10パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

⑤ 生命保険の募集手数料→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

⑥ 遺言信託等、信託銀行への顧客紹介業務→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

⑦ 立会外分売含むブロックトレードによる手数料(大体1パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

とのように証券会社と言いながら、株ではもうけが出にくい体質になっています。

因みに出来る中堅5年目セールスでは、大体通期で2億稼ぐことが目標とされています。

出来る若手3年目は1億くらいです。