金融社畜日記~証券リテール残酷物語~

時代錯誤な昭和の趣を残す職場、大手証券会社(リテール!)で働く人(働いていた人)の現在進行形日記です。良いところ悪いところ投資に役立つちょっとした豆知識を載せていきます。

証券会社のリテール営業は変わったか⑤(大相続時代)

親が高齢になってくると、その子供や孫が気になるのは何でしょうか。それは、親のことを悲しむ気持ちより、ずばり相続で自分が幾ら手取りを貰えるかなのです。

嫌、そんなことはない。兄弟仲良くやってきたし、両親とも仲良く、お金のことを考えているなんて浅ましいな!

なんて考えている一族が、いざ親が死んでしまうと、争う族(争族)になってしまうのです。

実は、日本の金融資産保有構造を見ると、景気循環の中で突出して60歳台以上の占有率が高いのです。有利な金利、上昇相場、年功序列、高額な年金、高額な退職金…と資産形成には大変有利な時代を過ごしてきた方が多いからです。

しかしながらその子供はバブル期に就職し、または崩壊後に就職し、大量採用や就職氷河期のさなか、大量採用組は中年に大規模なリストラに遭う方も、氷河期世代はそもそもまともな職に就いていない…等世代間格差が激しいのです。そうなると十分な貯蓄はなく、日ごろの生活も厳しい人も中にはいます。一部の勝ち組という立場に入れなかった人以外は大変苦しい世代であると思います。

ということは、それら親の資産は当然、現金だけでなく株式で持っている場合も多く、バブル世代や氷河期世代は職場のIT化などで、詳しい方も多数おり、それらの相続での資産はインターネット証券に流れることが多いのです。

なぜなら、インターネット証券は非常に売買の手数料が安く、余計なセールスによる荷電や訪問がないため、現役で働く忙しい彼らにとって最適なのです。

だからこそ、現在の高齢者がいなくなってしまったあとの高齢者になるこの世代を大手証券会社に振り向かせることは大変重要なのですが、やはり私も営業活動をしていると、奇特にも手数料を多く払ってでもアドバイスを受けたいなどという50代はいませんでした。

しかしこの高齢者取引ルールのおかげで証券会社の収益構造の転換がありました。

実を言うとこの苦境で大手証券会社はある商品を売ることでむしろ、従来よりも儲ける構造をつくりだしたのです。

証券会社のリテール営業は変わったか④(高齢者取引)

http://www.jsda.or.jp/katsudou/minaoshi/koureikokyaku.html

↑上をクリックしてみてみてください。

これってセールスの立場から見たら異常なのかなと思うのですが、もし自分の親族が証券会社のセールスのカモにされていたら嫌ですよね。

恐らく、日本は世界でも類を見ない高齢社会+金融資産がこの世代に偏っていると思います。

対面証券会社はネット証券と違い、実のところ収益のほとんどを60歳以上の高齢者が占めているそうです。

その中でもダントツに70台の高齢者の収益率が突出しており、証券会社がメインターゲットとしている層がまさに日本の経済を陰で動かしている、証券会社の食い扶持を支えるために貢献してあられるのです。

冗談はここまでで、この高齢者取引ルール。実のところ、対面証券会社にとっては死活問題です。電話記録・広告審査だけでなく、年齢ですらセールスの自由を束縛しているのです。

もちろん、これらには背景があり、この年代は振り込め詐欺被害や金融リテラシー、記憶力の低下が激しく、また年金暮らしも多く、金融犯罪に巻き込まれやすいのです。そして貯蓄割合も大きく、1億円夫婦で現金を抱えているなど都市部に行けばゴロゴロしています。

これらを取り込むことこそが、証券会社の高収益率を支え、ITに弱い方々のおかげでネット証券に取り込まれていない最後のフロンティアになっているのです。

これを、ルールで縛ってしまったために余計な確認が必要となり、営業活動に多大な影響が出ており、

そもそも、証券会社で長年取引している方々は、このような年齢で括るルールに嫌気をされる方も多く、実は孫や子供がこっそり将来の相続のためにその親をネット証券に口座を作らせ、資産を移すこと誘導しているという事実があります。

そうはセールスの立場から言っても、確かに、自分の両親が高齢であり、対面証券会社でよく理解していない商品を言質をとっただけ買わされ、それでたくさん損を出していた場合は、そうそう良い気分にはならないでしょうから…

では、この高齢者取引が誘導する未来はどんなものでしょうか。

証券会社のリテール営業は変わったか③(広告審査:自由な営業禁止!)

対面証券の場合、訪問をして顧客と対話をしながら商談をすることが多いです。対して興味もなくしたくもない世間話の隙間を狙って、自分でもよく理解していない商品を顧客に買ってもらうのが、一般的な証券リテールセールスの姿でしょう。その中で、例えば投資信託であれば、目論見書という分かりにくい運用会社が作った能書きを顧客に渡すことが法令で義務づけられており、到底顧客に理解させるには難しい内容です。しかし、これに加筆したり、またこれに関連する資料を自分で調べたりしてまとめたものを顧客に渡すことはダメなのです。

就職活動中の学生さんは、証券会社の営業は様々な金融商品を通して顧客の資産形成に役立ち、自分も高給取りになれるなんて考えていますけれども、実際には営業活動に自由はありません。

実を言うと、金融機関が顧客に交付する書類はすべて広告審査と言って、あらゆるコンプライアンスという色眼鏡でチェックをされており、徹底的に会社に不利益となる瑕疵が見つからないような書類を準備されているのです。

昔の証券マンが武勇伝のように語ることは、今はほとんど法令違反に近いことで、例えば金銭の授受(商品券やブランドもの)や接待にすら厳しい規定があるのです。

これを推して、広告審査があるので、クリエイティブな営業をお望みの方は、入社しても体育会系の押し売り営業になってしまう可能性があります。

逆に言うならば、セールスは皆同じ条件で勝負できるので、体力と気力さえあれば頭を使わずに営業ができる可能性が高く、売れば売るだけ評価がされ、いつの間にか管理職で高給取りだなんて人はたくさんいます。

私もセールスをやっていると、まあ、一度スクリプトという自分の問答集を作れば、後は適当に懐の深い顧客(金をたくさん持っているマルい客:マルい客というのは証券会社とどれだけ損をしようが底なしに付き合ってくれる顧客のこと)に数本電話を掛ければ予算(ノルマ)が終わってしまうくらい、なこともありました。

なので、広告審査は顧客にお礼の手紙を書く時ですら、支店長や業務管理部長(コンプライアンス部長)に一度添削されていました。ということは顧客渡すための巻物や、顔写真付きの無機質なプロフィール(男性セールス顔写真入りなんて誰も興味ないよな)が6月ごろの社内研修終わりの新人から送られてくるときも、苦笑しながら広告審査されているのかなと微笑ましいです。

証券会社のリテール営業は変わったか②(通話は録音される)

さて、今の証券会社のおそらくほとんどでは、顧客とセールスとの会話はすべて録音されているそうです。私がかつて勤めていた証券会社でも、録音されており、たしかNECIP電話外資系のシステムを使って、サーバーにて記録を残していたと記憶しています。大手証券だとNECに限らず、CISCOなどのIP電話システムを使っていると思います。皆さんの職場は如何ですか。

さてこれらのシステムは身勝手な営業活動の自由をなくさせ、顧客からの商品リスクの言質ととるために使われています。いわゆる言った言っていないを無くすために取り入れられているのですが、これが曲がりものです。

例えば、営業職に限らず仕事をしている場合は、何かしら相手に色を付けて商談をしなければならないことがあります。それは商習慣の暗黙の了解というか、それを分かってしている人は多くいます。(リベートを要求するなど)

しかしながら金融商品という性質上リスクやコストの説明は大変難しく、簡単に顧客にすぐ買ってもらうということは難しく、何とかいろいろな条件を付けて切り売りするしかないのです。

そのために、会社の利益の上からどうしても顧客を痛めてしまう商品もあり、その代わりに大変儲かる可能性のあるIPO(新規公開株)やCB(転換社債)で色を付けることがあります。

これは、抱き合わせ販売といい、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律独占禁止法)第19条違反となる、立派な犯罪です。

ですが、録音システムがない当時では、電話では当然のごとくこれらを顧客に行い、顧客も分かっていました。

今では、そういう会話が残ると一発でアウト(懲戒解雇の対象)ですので、当然のごとく営業活動は難しくなりました。必ず顧客と注文内容を復唱確認させて電話記録に残させる必要があり、これを受注行為といい、商品を買った買わない、リスク理解したしていないの決定的な証拠となり、会社を守るという意味での顧客に対する強い盾になるのです。

言質を取るために紙で注文内容を顧客に書かせていた時代もあったのですが、セールスが勝手に顧客の印鑑を付いたり、字を複写して偽造したことが多かったため、電話に残すことになってしまったそうです。(あくまで伝聞です。)

因みに、これは別に投資家保護のためにやっているのではなく、世間の目が証券会社に対して大変厳しくなっており、自分たちのリーガルリスクを無くすためにやっています。これをコンプライアンス法令遵守)だと本社は言っていましたが、今まで当社は法令を守っていなかったのか、そうだったのか。と冗談ながら、冗談とは思えなく、笑ってしまいました。

そのために、慎重に慎重に顧客と連絡を取らざる負えなくなり、融通が利かない会話になり、どんどんインターネット証券などに顧客が流れて行っています。

では、訪問して商品を説明して、あとは示し合わせて、電話に記録を残せばいいんじゃないかというところ、そうでもないのが次の現実です。

証券会社のリテール営業は変わったか①(世論の目)

証券会社で働くということは、あまりよく言う人はいません。例えばゴールドマンサックス証券(日本の現地法人・格でいうと支店のような位置づけです)やシティグループ証券などの外資系の証券会社は就職活動生や世間も恰好が良いや高給取りなどの正の印象を持っていると思います。

しかしながら、我々が普段目にする証券会社の人々は、いわゆる野村證券だとか大和証券に努めている営業の兄ちゃんや姉ちゃんではないでしょうか。とにかくノルマが大変だとか給料がいいけど客をだますような営業をして利益を上げているなど、職業に貴賤はないとしてもなぜか世間はあまり良い評価をしていないと思われます。

何にしろ、私が某大手証券で新人の頃、テレアポを一日400件くらいかけた経験があり、大体の反応は損をさせられた、証券会社との取引は一切お断り、時には怒鳴られたり、こんな為に大学卒業したんじゃないのにな~なんて毎日憂鬱な空気でした。

新人は毎日でもテレアポ飛び込み営業、時には迷惑極まりない違法すれすれの営業までもすることによりわずかながらのお人よしの人が口座開設をして、よくわからない商品を買ってくれていたように思います。

おそらく、ここまでで証券会社にお勤めの方でしたら、なんとなく理解頂けると思います。しかしながら、近年の証券会社は従前の姿を残しつつお上やら世論の目が厳しくなり姿を変えつつあります。

それが、我々営業マンにとって非常に営業活動をやりにくくしているのです。

しかも、一日に稼ぐ額は昔と平準化するとあまり変わっていないことがあり、(収益の額ではなく、収益率という点において。)離職者がここ数年増加しているのです。

それが、電話の内容を逐一録音され、本社の監督部署に監視されていることです。

その後の新入社員の配属先とかなわぬ希望

新入社員の配属先と希望

前略、これをまず読んでください。お願いします。

こんばんは、続けての投稿です。

さて、悲喜こもごもほとんどの新入社員は営業店に配属をされました。

まあ、強い意思のある奴は、次こそは本社をと狙っているようです。

大体3年目から4年目くらいに同期の大きな異動があります。

それを見ていると、自分の将来が見えてしまって絶望的になります。

では、先の東大生・京大生はどうなったでしょうか。

無論、経営企画部のような基幹部署に異動になっていました。

始めから、そうすればよいのではないかというと、経営幹部はどぶ板も知っておいて現場の痛みも少しは知っておけということで、最初に営業店に配属なのでしょうが、確かに銀行証券の金融機関のえらいさんのプロフィール?社歴を見てみると、初めに支店が書いてあって、(らくらくとは言えなくとも数字の出来やすい中規模支店、決して大規模な花形支店でないことは確かです。)、その後に大それたなんチャラ企画部~というのが並んでいるのを見たことが無いでしょうか。(銀行だと、ここが監査部だったりするそうです。)

ただ、この人たちがその●●企画部に配属されるのは、いわゆる外部機関との折衝の窓口になるためだからです。たとえば、金融庁担当(FSA担)・証券業協会担当・財務省担当(MOF胆)などです。これらの機関のお偉いさんはいわゆる東大・京大の文系学部出身者が100%ですから、まあ彼ら彼女らと渡り合うためにはそれなりの学歴が必要だということです。そういう人たちと付き合って、名前や情報を通してもらうことで、社内での自分自身の付加価値を高めて、経営幹部の道を歩むわけです。ただしこの人々は証券会社では社長になることはありません。なぜなら、彼ら彼女らは証券会社の現場ではなく管理部門として働き、会社に利益はもたらさないからです。

では、証券会社の社長の筆頭格は誰でしょうか。

それは慶應大学、早稲田大学の文系大学の出身者です。

彼らについては大体がつまらない営業店でそれなりに数字を出せば、そのうち次ステップが与えられます。それは稼がない奴は学歴が無くても仕方がないの営業店から、稼ぐにはそれなりの学歴が必要になる、本社の営業部門です。例えば、機関投資家営業や事業法人営業になります。(因みにこれらをトスアップされる部門投資銀行部門であったりするわけですが、営業部門でありますが顧客と直接対峙することのないミドル部門であり、頭脳集団いわゆる理系出身者が多い印象です。)つまりつまらない営業店で我慢するや理不尽を耐え、覚えて強く図太くなった彼らにめぐってくる次の社長の出世レースが始まるわけです。

さて、お待たせしました。脱北についてです。

脱北とは、まあ簡単には行えないわけですが、どういう人たちが行うかというと、

明治大学上智大学、神戸・横浜等の国立大学の出身者です。

彼ら彼女らは営業でとびぬけた数字を挙げる一方、資格取得(証券アナリスト)などを一所懸命にやり、ごますりも得意になり、客を自分の遅れたチャンスを奪回する手段として利用するくらいの根性が必要です。

それか、営業が出来るのであれば、素直に本社を目指すのではなく、支店の営業管理職を目指す方が得策です。この層では早々に本社部門に行くと、なかなか管理職になれずに年収も上がりませんが、支店では数字が出来る人は管理職登用が早いです。そのうち支店長になって本社にも数字でアピールできれば、すぐに本社部長となってかつての同期が部下なんてこともあり得ます。この層の出身者は本来は、脱北をするよりも割り切った方がいいのかもしれません。

では最後に、その他学歴の出身者ですが、実はこの層が証券会社のリテール部門を牛耳っています。なぜなら、彼らは脱北の意思はないですし、まじめに与えられた営業にまい進するからです。部下は上司とそっくりになる…確かに朱に交われば赤くなるですが、証券会社は営業が主な会社です。数字を挙げてアピールすれば、●●企画部などどこ吹く風です。だって●●企画部のヘッドが大規模リテール店の支店長だっただの良くある話だからです。

なんだか、証券会社の夢を壊すようなことを書いてしまいましたが、要は数字の出来る部署で数字をやる人間が出世をするというのが、分かりやすい図式です。

銀行のように出世の上層段階において学歴は重視されていないような感じです。(社長は別ですが。)

配属先が希望通りにいかなくても、私の周りではこんな感じで人が動いて行っていました。

次の章では、気になる辞めていく人たちはどういうところに再就職するのか、について書きたいと思います。

 

 

新入社員の配属先と希望

こんばんは

米雇用統計の結果が出ましたね。

“農業分野以外の就業者数が18万人程の予想を大幅に超える27万1000人も増加したことから…”とNHKニュースにありました。

為替は円安方向へぶれているそうですが、年内の利上げの発表はあるのでしょうか。

さて、証券会社に就職したい今年内定をもらった2016卒の学生さんは今から、仕事の不安や、楽しみが待っているのではないでしょうか。

因みにですが、私の就職した大手証券はほとんどの人がリテール営業店に配属されます。残念でした。

私の記憶では、確か同期が400人くらいでの入社式がありましたが、400人が一堂に研修期間終了後に辞令を受けるのですが、

●●君!大阪支店営業課!

なんて読み上げられます。

多分、恐らくかつての証券会社では、支店に配属されることは当たり前で、

実家の近くだったり、遠くだったり、大都市だったり、遠距離恋愛になったり、と悲喜こもごもまあそれなりに、支店配属後はうまくやっていたと思うのですが、

ここ近年、2006年ごろからは派手な投資銀行プライベートエクイティファンドの話題がお茶の間にも流れるようになり、特にドラマハゲタカなんてのは、学生の憧れになってしまったのではないでしょうか。(ハゲタカはいわゆるプライベートエクイティファンドの話です。)

だからこそ、営業店に配属されたら、それだけでショック!3か月後には既に退職なんて人が周りに多かったと思います。

では、なぜそう思うのかというと、初めの配属時に本社部門のいわゆる憧れの部門に行けるのは、なんか特殊な資格を持った人(たとえば公認会計士とか税理士とか、でもこれって試験に合格しただけのような気がするのですが…登録はされていないような。)や、いわゆる帝国大学の院卒で理系の学生だったと思います。

でも、少なからず居る文系学部東大生や京大生はリテールに配属されました。

彼ら彼女らは辞めませんでした。なぜでしょうか。これは次に投稿します。

さて、辞めてしまった学生はどういう人だったかというと、

いわゆる慶應大学・早稲田大学政治経済学部除く)出身者と、

上智大学明治大学同志社大学の出身者でした。

意外に辞めずに残ったのは、日本大学東洋大学、そして関西では京都産業大学近畿大学出身者でした。

まあ、それもそのはず、リテール営業店の上司は未だに昭和の時代を引きずっており、

飲み会大好き、ゴルフ大好き、キャバクラ大好きとまあ営業で数を上げる以外は学が無いなと思う人たちで、正直学歴も相応の人が多かったと思います。

そんな彼らのノリについていけず、セクハラやパワハラまがいに遭い、自分より学歴が高いのに数字が出来ないなどとののしられ、プライドもずたずたになって辞めていくのです。(学歴の高い私学出身者は良い教育と、親にも怒られたことが無く、家も裕福で…なんて人が多いので辞めても次の生活や職に困る人も少なかったと思います。)

これは、証券会社のリテール営業店の特徴というか、本社との温度差がありずぎて、

営業店から本社部門に行くことを脱北だなんていう人、一抜けたという人もいて、

これでは証券会社の屋台骨がボロボロになっていく、そして優秀な学生(数字が出来るとは言っていない)の無駄遣いのような気がします。(採用コストもバカにはなりませんので。)

次の章では、東大生京大生はなぜ辞めない?(金融機関の特有の人事について)と、“脱北”するためにはどうすればよいのかについて書きたいと思います。

因みに、ずっとリテール営業店を経験した私はいわゆる中堅私大出身者です。まあ言わずもがなですが…笑

リテールセールス(証券マン・ウーマン)の一日の稼ぎはどれくらい①

こんばんは。先のエントリーでは年収の高さを見てきましたが、その年収を貰うためには稼ぎが必要です。

ところで皆さんはセールスをされていますでしょうか。

一か月1,000万円も売り上げを立てれば、それはそれは優秀なセールスではないでしょうか。

それがどっこい、かつてバブル期の証券会社では1,000万円は入社8年目のごく普通の社員の一日のノルマだったそうです。

20営業日あれば2億の売り上げです。12か月で24億円…

証券会社は元々は株屋と侮蔑され、強引な株式の回転売買で生業を立ててました。

また、バブル期の当時は証券会社の手数料は自由化されていなく、100万円の商いでも往復2パーセント弱の手数料が取られ、仮に1億売買してもらえれば200万円の手数料です。(高額売買の場合は別途手数料割引があるため、実際にはもう少し変わります。)

しかし手数料の自由化とインターネット証券にも門戸が開かれ、今は100万円の取引ではインターネット証券においては片道800円ほどしか手数料を召し上げていません。

では、現在の対面証券会社はどのような手段で手数料を上げるのでしょうか。

入社8年目の最もできるセールスに求められる数字は一日平均300万円です。

12か月で7億でしょうか。

随分と減ったように思いますが、その分証券会社のIT化により事務方人員自体がスリム化したため、これでも十分なようです。かつては、営業員の数と同じくらいに事務方が支店にいたそうで、その人たちの給料も稼ぐ必要があったからだということですね。

さて、その手段ですが、

① 新規公開・公募売り出し等株式募集手数料(大体1パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない(これについては次回に説明します。)

② 投信買い付け手数料(大体3パーセント)

③ 普通社債募集手数料(0.3パーセントから3パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

③ 仕組債募集手数料(3パーセントから8パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

④ 既発債買い付け手数料(0.5パーセントから10パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

⑤ 生命保険の募集手数料→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

⑥ 遺言信託等、信託銀行への顧客紹介業務→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

⑦ 立会外分売含むブロックトレードによる手数料(大体1パーセント)→お客からは直接手数料を負担しているとは分からない

とのように証券会社と言いながら、株ではもうけが出にくい体質になっています。

因みに出来る中堅5年目セールスでは、大体通期で2億稼ぐことが目標とされています。

出来る若手3年目は1億くらいです。

 

 

証券会社の年収はどれくらい①

 こんばんは。寒くなりましたね。さて11月4日は郵政3社が上場ですが、どんなドラマが見られるでしょうか。IPOには参加はしましたか。ネット証券よりも今回は対面証券で申し込んだ方が勝ちだったみたいですね。中にはかなりの株数をを貰った人もいるようで、羨ましい限りです。なんてったって国策銘柄のIPOですからね。

さて、そんな対面証券で申し込んだ皆さんはある意味対面証券との付き合いを始めなければなりませんね。だって、IPOをくれるということは何かしら期待を込めて、含みを持たせているわけですから、その先は分かりますね。

上手に証券会社と付き合ってくださいね。

 

では、お待たせしました。証券会社の支店セールスってどれくらい貰ってるのかというところです。

大体、どれくらい貰ってるかって。

これはあくまで大手証券の例(伝聞と思ってください)です。

1年目:基本給22万円+残業代10万円+通勤手当7,000円+住宅手当8万円×12

+夏冬ボーナス80万円≒550万円

2年目:基本給24万円+残業代10万円+通勤手当7,000円+住宅手当8万円×12

+夏冬ボーナス200万円≒680万円

3年目:ここから差がつく

だいたいが700万円

4年目:平でも役職がつくと900万円

5年目:出来る営業マン・ウーマンで大台に到達1,000万円

6年目~10年目:安定して1,000万円

10年目:出来るセールスで管理職になる

だいたい管理職手当がついて1,400万円~1,700万円

20年目:出来る管理職で支店長

だいたい確定申告が必要

相場が良いとこんな感じです。リーマンショックなどの悪いときはこれにマイナス100~200万円です。

因みに本社の事務方や支店の事務方はこんなにもらえません。ここからマイナス300~400万円が相場です。

証券会社は、どうしても本社のかっこいい部署が有名になりますが、実を言うと生涯かけて働くのであればリテール(支店セールス)から支店長、本社部長・役員が分かりやすい出世ルートなのです。

リテールは就職活動生から人気がありませんが、本社のかっこいい部署のヘッドはかなりリテール出身者が幅を利かせています。それは、リテールは転勤地獄だし、体育会系だし…と変なところばかり強調されますが、遊びを知っていたり息抜きが上手だったり(そうでなければ生き残れないです)、人脈が豊富であったり(目に見えてとびぬけると表彰を受けたりして全社的に目立つことが出来るからです。)と海千山千のスレスレを掻い潜って今があるという人が多いからだと、筆者は思っています。

 

さて、これを高いとみるかはそれぞれですが、先のエントリーのリテールセールスの一日を見ればこの給料も納得できるのでは?と思います。

 

証券リテールとは何ですか!~基本編(前場編①)~

 

 

 

証券リテール営業マンの一日(5年目営業マン編)

どこの証券会社の支店でもそうですが、これが日常です。

 

※証券会社専門用語が出てきますので、解説は【】内に書きます。

4:30 起床…昨日に課の予算を落としたため課長の恫喝による悪夢と1:00近くまで飲んでいたためうまく寝つけず気分が悪い

【1:00近くまで飲んでいた:証券会社の社員は本社・支店に限らず、ストレスがたまる仕事が殆どである。日々の激務なため、飲み会が開かれると1次会~3次会まで連れまわされるという“良い文化”が存在する。大体は1次会が居酒屋、2次会がガールズバーやキャバクラ、3次会がカラオケ・ボーリング・ダーツなどの遊戯で締められる。筆者は遅いときは深夜3時を記録、次の日はシャワーを浴びるための帰宅で会社に直行。もちろん周りは二日酔いで酒臭い。どうでもよいが、新人や若手はなぜか参加者全員に昨日は有難うございましたと礼を言うという体育会の悪しき習慣が存在している。そもそも割り勘ジャンとは言ってはいけない。

【予算を落とす:ノルマが達成できなかったこと。証券会社ではノルマの種類に収益・純増がある。収益とは一般企業の売り上げにあたり、株・投信の手数料や債券の引受手数料などで稼ぐ。フロー収益と呼ばれ証券会社の稼ぎ頭。また純増とは、証券会社は銀行と違い決済機能がないため、顧客が給料の振込などで使用しないため、受動的にお金が集まりにくい性質がある。そのため証券会社は能動的に顧客より資金を導入させる必要がある。この行為のことを純増と言い、純増の項目は株式純増(株を買い付けたり余所から移管してもらったり)、株投純増(株式型投資信託ファンドラップを買ってもらうこと…顧客に預けてもらえるだけで投信会社より毎年手数料が貰えるためストック収益と呼ばれる。)因みにキャッシュ(現金導入)での商品販売が一番得点が高い。乗り換え(株を売って投信を買う、投信から投信)での1億よりもキャッシュでの5,000万の投信を決めに行く方が、偉い!というのは昔の証券会社のセールスには考えられない現象である。つまるところ各社とも収益の比重が下がっている点も近年の特徴である。

【課長の恫喝:証券会社では怒らない人はいないですし、怒られたくない人は辞めてしまいます!ただ、近年はパワハラ・セクハラはSNSの発達や女性社員の増加で減りつつある。】

 

5:45 モーサテを見ながら日経新聞を見る。今日もNYダウとS&P500は下がり、中国の景気予想も悪い…あてにしていた連動債の判定日だか早期償還が無くなり、次の収益が見込めない状態になることが安易に予想できる。

【モーサテ:モーニングサテライトの略。テレビ東京系列・BSジャパンで明朝に放送される経済番組。当日の日経平均やドル円のレンジ(値動きの幅)を偉い人たちの予想が見れるが、どれも幅広(笑)。お客に電話するときのちょっと経済に精通してます、知ってます的なネタを準備するために最適な番組である。】

【NYダウ・S&P500:前者は日本の日経平均的なもの、後者はTOPIXに近い、いわゆる株価指数・指標のこと。アメリカ合衆国で上場されている株式が指数の算定に使われるため、アメリカの景気の先行きや楽観・不安を映し出す経済の鏡である。NYダウはダウジョーンズ社が算出する指標であり、かつては日経平均も日経ダウと呼ばれていた。S&Pは格付け会社のスタンダードアンドプアーズ社が算出】

【連動債:極悪非道の証券会社がぼろもうけできるハイリスク・ローリターンの債券のこと。ある指数(日経平均)を参照し、それがある一定の水準であれば高い利金が受け取れ、それを下回ると元本割れを起こして償還を迎える債券のこと。早期償還とはある一定の水準をずっと維持していた時、その判定日にその水準であった場合は元本がそのまま戻って来ることを言い、これをノックアウトという。元本が割れる水準に達した時をノックインと言い、大幅に元本が棄損する。連動債の中身はデリバティブであり、基本的に投資家はプットオプションの売り手(ショートプット)となり著しく不利な状態である。】

 

6:30 チャリで出社…支店は雑居ビルの一階に通用口がある空中店舗なため置き場が無く、近くのドラッグストアの置き場に駐輪

【空中店舗:通常金融機関は目抜き通りの1階にフロアを貸し切って営業をしていると思い込みがちである。それは顧客が受動的にやってくる銀行の話で、証券会社にやってくる顧客は一日数人といったところ。そのため空中店舗であっても何ら支障はなく、営業マンがそのまま顧客にがめつく営業をするスタイルなのである。】

 

6:40 出社…既に2課の全員がそろい、先日の営業日誌と顧客カードをみながら今日の訪問先を準備している…管理職は支店から少し離れたところのマンション住まいなため電車通勤…つかの間の安息

【顧客カード:顧客の属性、取引経過性や保有資産が載ったカード。通常はどこの証券会社でもオンライン化されている。これを見て、営業マン達はあの客で利益の出てる投信を売って募集債をはめ込んで、個人向け国債を売らせて、ファンドラップに乗り換えさせて…などパズルを組むための道具なのである。決してお客の資産の心配やコンサルティングを考えているのではなく、ただそれだけの価値しか持たないものなのである。】


7:00 管理職が遅れて登場。支店長も5分後に登場。新人が管理職会議用の集計表を準備させられる。因みにサビ残である。

【集計表:昨日までの営業成績が載った紙。本社の支店統括本部計数管理課から毎日エクセルデータとしてやって来る。順位であったり、年次別であったり、戦力別(地域職の女性営業員は別項目)が表示されている。恫喝のための燃料になる。】

サビ残労働基準法違反、いわゆるサービス残業・無賃労働である。一応営業マンは自主的に出てきて、その間読み物をしていたり遊んでいたことになっているらしいのだが…勤務状況は8:40始業となっている】

 

7:20 管理職会議「今日はどこでいくら収益予定してんだ!!募集債はいくらやるんだ!ファンドラップ純増はいくらやるんだ!キャッシュでやれよ!ぜってえにやれ!!」など支店長が管理職を詰めまくり恐怖政治…その間営業マンはどこの客でいくらやるのか、など早朝より予定を作るために客にテレアポ攻撃…昨日予算を落としていた課のセールスにとっては客が出勤前であろうが寝ていようが、家事をしていようがお構いなしである

【管理職会議:支店長の独演会。ジャイニズムあふれる恫喝という名の演奏会が開かれ、これに長年耐えうるものが、次のリサイタルのステージを用意されているのである。因みにさして意味はない会議であり、業務管理部長の法令順守をしましょうという形骸化した中身のみが真面目に右から左へと営業管理職たちの耳を通過するのみであり、それ以外の演奏会は集計表を見つめればそれで結論は出ている。要は、法令順守ギリギリの商いをしつつも、収益をやれということ。】

ファンドラップ:大手証券がよくCMでやってるナウい商品。チェケラッチョではなく、投資信託の一種。ファンドファンドを買わせるという非効率かつ手数料を取ることしか考えていない商品。お年寄りに人気。これも証券会社が収益ベースから純増ベースへ業態を移していることの根拠】


8:00 管理職が会議から出てくる…課の朝会がスタート…筆頭セールスから順番に予算を申告させられ申告が低いと恫喝されるため、ほとんどが旗…予算のついていない新人はNISAと新規口座獲得件数を報告させられる…20分のうち殆どが人格否定のため費やされる

【筆頭セールス:支店の奴隷のトップ。営業管理職はある一定の人格を与えられた平民。支店長は司祭である。因みにエリア本部長(平取締役、もしくは執行役員)は神である。貴族は意外にも業務管理部の平課員。女性しかいなくめっちゃ楽そう。3時のおやつとかどんだけやねん!他の奴隷たちの稼ぎの中心を担う存在であり、次の平民へのトランスフォームの準備中。接待続きで肝臓が悪く、女性の筆頭セールスは先ずお目に掛れない。みなそのエクストリームを経験する前に美人ぞろいの証券会社よろしく結婚をし主婦という名のテラフォーミングを成すからである。女性の営業課長はそのため超変人が多い。尚、独身多し。(司祭などは歴史の教科書の中世の時代のヨーロッパの日ヒエラルキーを思い出いしてほしい)】

【朝会:営業課長の独演会。ジャイニズムあふれる恫喝という名の演奏会が開かれ、これに長年耐えうるものが、次のリサイタルのステージを用意されているのである。因みにさして意味はない会議であり、恫喝とそれらしい経済見通しの呪文が右から左へと営業マンである奴隷たちの耳を通過するのみであり、笑顔で耐え抜くメンタルが必要とされる。】

【旗:嘘の数字、出来ないのに申告する、その場を取り繕うための債務。債務なので時間がたつほど返済不能(達成不可能)となり結果デフォルト。因みに証券会社の辞書に載っていない言葉に、“出来ませんでした”が有名である。】

【NISA:ニーサと脱力した読み方だが、いわゆる非課税口座のこと。一時期ある証券会社のCMで○○さんちも非課税とかいうのが放映されていたが、非課税メリットはたったの100万円までの元本の値上がり益と配当のみ。ボロ株や低位株にドリームを託すギャンブル向け要素とシニアパワーたる大型株の長期保有による株価下支えの燃料になっていることは必至である。因みに投信も保有可能】

 

8:20 朝会が終わり、支店長が営業マンを集める。早速営業場のホワイトボードに下手なチャートを書き、支離滅裂な呪文を唱え叫び始める。
 「おまえらボーっとしてんじゃねえ!!NYダウが下がっている?中国が景気減速?そんなことより今月の劣後債どうなってんだよ電話しろ!!純増の予定たてろ!!○○今日上がるぞ!!下がったら買わせるのが証券会社のセールスだろ?機関が買いに来るぞ!年金が買いに来るぞ!」などまくし立てられる。

【支離滅裂なチャート:ここはリテール営業店、アナリストもいませんし、金融工学を学んだインテリもいません。彼らに共通することは、買ってください…電話を切りません、訪問先から帰れません客が買うまでは…という教育を受けているのだ。だからチャートというのは占いなのである。支店長は司祭なのだから、呪文で構わないのである。】

劣後債:債券の王様といえば、国債である。その次がいわゆるシニア債と呼ばれる普通社債、次がジュニア債とよばれる劣後債である。シニア・ジュニアの違いは要は会社が潰れちゃったら誰から弁済されるのかという順位である。これらは簿記上は負債になるが、負債の一番おいしいところは現ナマの長期貸し付けのメインバンクがかっさらってしまうため、社債は基本的には会社が潰れたら紙切れとなってしまう。劣後債はリスクを抱える分、高い利回りが想定できるが、そもそも一般個人向けに発行される債券というのは機関投資家が引受しない商品が多いわけであり(もちろんそれだけではないが)、一度保有すると簡単には売却できないため、実はかなりリスクの高い商品ではないかと筆者は思うのである。

機関投資家:我々の世界では機関・もしくは単に“おとな”とよばれる。機関車の如く大人買いを行うと想像していただければ分かりやすが、とても株式市場にインパクトを持つ存在である。機関投資家として有名なのは農林中央金庫・生命保険会社・いわゆる公的年金基金(GPIF・KKR)などである。因みにいまの株式市場最大の大人は日本銀行であり、営業マンたちはしきりに今日は日銀が買っているので買ですよと適当なことを言っている。日銀が大人買いすることを日銀砲と呼ぶ。】


8:40 業務管理部(事務社員)平課員が出社…俺もあんな楽な仕事をしたいなとQuickの高速点滅する板を見ながら感慨にふける…ところで管理職のブルームバーグ回線に何の意味があるのだろうかとまた感慨にふける…実際のところブルームバーグ回線は低学歴で下品な上司には使いこなせていない場合が殆どだからだ…ヤフーファイナンスで事足りる

【Quick:営業員向けの株価や指数の検索端末。黒と白や蛍光色の色で表示された画面には多くの営業に必要な情報が詰まっている。そもそもこれをお客に検索させて、勝手に株を買わせた方がいいんじゃないのかなと思うくらい、営業マンの存在が小さくなる端末である。因みに朝はモーサテ、日経新聞、Quick触って日経平均株価を参照、夜はWBSワールドビジネスサテライト:モーサテの夜版)と我々は日経新聞グループに支配されているようである。】

ブルームバーグ:金融機関に勤める人々の憩いの場、チャット機能が充実。端末料金が非常に高く、これ1台でQuickが何十台も用意できるほど高価だそうだ。因みに中身はQuickの豪華版。本部の債券セールスが使ってるイメージ。】

【ヤフーファイナンス:修羅場、掲示板機能がとにかく修羅場。リアルタイム更新ではないがQuickよりもレイアウトが見やすいので営業マンにとっては意外な人気】

 

8:50 営業場のセールスは殆ど出かけている…株式委託手数料の自由化により大手の対面証券では株よりも分かりやすい投資信託と仕組債がいまや収益の柱だ
9:00 前場スタート。営業場は電話があまり鳴らなく、投信の受注や債券の募集の電話をしている…「日経520円安!!!!」と管理職が叫ぶのを横目に電話かけて投信の注文を取る(笑)…

投資信託:小口で複数人から金を集めファンドとして様々な金融商品にプロ?が投資を行うかわり、運用益は分配金として投資家に分配されるという商品。いわゆるファンド。営業マンにとっては手数料が高く取れるために人気。ただそれだけの商品で人気化する。要は営業マンが必死に売るから、投資信託は人気なのである。パラドックスである。投資信託は基本的に翌日単価採用のものが多く、時々刻々の相場環境には左右されないため、注文を取った次の日に安く買えたのか高く買えたのか(口数が多かったのか、少なくなったのか)が分かる。

 

10:30 支店長&課長が「○○いいぞ!!!」と叫んでる中、同時に手数料報告。

ホワイトボードにはそれぞれ一日ごとの予算が書かれ、課長は書いては消しを繰り返すため、その床はススだらけである。突然ホワイトボード消しが宙を舞う…

「てめ~今日はやるんじゃねえのかよ。なんでゼロポンはめれねえんだよ。田中先生はお前じゃ役不足みたいだな~あ~聞いてんのかコラあ~」と前場が始まる前に出た営業マンが客先で決めれず帰社したために、追尾ミサイルよろしくポマードで固めた営業マンの頭を横切った…

ゼロクーポン債:クーポン(利金)が無いかわりに額面金額よりも大幅に低い単価で買うことができる債券のこと。残存期間は20年超が多い。償還日に額面どおりの金額が償還されることが確定しており、利金による収益を償還時にまとめて取得できる。要は証券会社としては仕入れた時に上前をはねてお客に販売するため、適正な価格が分からなくなってしまうので、その上前分をかなり高く設定できるため、証券会社の収益に貢献するのである。】
【ポマード:整髪剤の一種。黒光りテカテカ。ダサい。なぜか不動産業と証券業には愛される不思議な存在。最初は横分けとかちょっとおしゃれっぽくしたくなるが(全然オシャレじゃないが)、大体がオールバックに落ち着くのも不思議である。

【はめる:いろんな意味がある言葉。多くの意味を捉えてほしい。要は要らないものを入れるゴミ箱を用意するような感覚である。きっちり手数料を取って。


 11:20 「どうすんだ!!てめえは!!前場終わっちゃうぞ」と言われ必死に投信と債権の注文を取る。
11:30 前場終了。日経平均750円安

 

とりあえず今日はここまでです。(全て想像です。断っておきますがフィクションです。)お昼からの部はそのうち書きます。